カナダがEU”準加盟国”入りを模索? なぜ
【けさ知っておきたいNEWS】
テレビ朝日グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
カナダがEU(ヨーロッパ連合)との関係をさらに強化しようとしています。
アメリカとの貿易摩擦が激しくなる中、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは12日、カナダのカーニー首相がEUの「準加盟国」のような立場を模索していると報じました。
背景にあるのは、トランプ大統領による高関税政策など、アメリカからの強い圧力です。
カナダはアメリカへの依存を減らすため、新たなパートナーとしてEUとの連携を深めようとしているとみられています。
カナダはEUに正式加盟できるのか
EUには現在27カ国が加盟しています。
新たに加盟するには、すべての加盟国から承認を得るなど厳しい条件があります。
さらに根本的な条件として、「ヨーロッパの国」であることが求められます。
過去には、ヨーロッパに近いモロッコがEUの前身であるEC(ヨーロッパ共同体)への加盟を申請しましたが、アフリカの国であることを理由に認められませんでした。
カナダも北米の国のため、正式なEU加盟が実現する可能性は低いとみられています。
国際政治に詳しい慶應義塾大学の細谷雄一教授も、EUに加盟すれば一部の主権をEUに委ねることになるため、カナダ自身も本当に正式加盟を目指しているわけではないのではないかと分析しています。
実は「準加盟国」という制度は
存在しない
今回注目されている「準加盟国」ですが、実はEUにはそのような正式な制度はありません。
EUの約60年の歴史の中でも、「準加盟国」という枠組みは一度も設けられていません。
それでもウォール・ストリート・ジャーナルがこの表現を使った背景には、カナダの活発な外交があります。
カーニー首相は今年に入り、主要なヨーロッパ各国の首脳らと相次いで非公式な会談を行ってきました。
フランスやフィンランドなどからも、カナダとEUの関係強化に前向きな発言が出ています。
報道の翌日、カーニー首相自身も「EUと独自の同盟関係について協議を始めようとしている」と明言しました。
正式加盟ではなくても、これまで以上に深い関係を築こうとしていることは間違いなさそうです。
経済・安全保障・防衛で連携強化へ
カナダとEUは、すでに10年ほど前から貿易関係を強めています。
輸出入にかかる関税の多くを撤廃する協定を結び、経済的な結びつきを深めてきました。
今後はさらに、経済だけでなく、安全保障や防衛産業などにも協力を広げる可能性があります。
特に注目されるのが経済安全保障です。
カナダには重要鉱物など豊富な天然資源があります。一方、EUにはそれらを精製する高い技術があります。
双方がそれぞれの強みを生かすことで、メリットの大きい関係を築くことができます。
背景にはトランプ大統領の圧力
カナダがEUとの関係強化を急ぐ最大の理由の一つが、アメリカのトランプ大統領です。
トランプ大統領はカナダに高い関税を課すなど貿易面で圧力を強め、さらに「カナダはアメリカの51番目の州になるべきだ」といった発言も繰り返しています。
カナダにとってアメリカは最大級の貿易相手国ですが、依存度が高いほど、アメリカの政策変更による影響も大きくなります。
そのため、EUとの関係を深め、貿易や安全保障の相手を分散させたいという狙いがあります。
きょうのNEWS解説まとめ
カナダの「EU準加盟国入り」が報じられましたが、実際にはEUに準加盟国という正式な制度はありません。
また、北米にあるカナダがEUへ正式加盟するハードルも非常に高いと考えられます。
重要なのは、カナダがEUとの間に、従来の関係を超えた独自の同盟関係を築こうとしている点です。
背景には、トランプ政権との貿易摩擦やアメリカへの過度な依存を減らしたいという思惑があります。
豊富な資源を持つカナダと、技術力を持つEUが経済や安全保障、防衛分野でどこまで関係を深めるのか。
今後のカナダ外交を左右する大きな動きになりそうです。
NEWS解説
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