茂木大臣訪問”中東のスイス”オマーンとは
【けさ知っておきたいNEWS】
グッド!モーニング「けさ知っておきたいNEWS」のコーナーで解説されたNEWS内容をご紹介しています。
この解説のあと「けさ知っておきたいNEWS検定」が出題されます。
「中東のスイス」オマーン
板挟みの危機
アラビア半島の東端に位置するオマーンは、ホルムズ海峡を挟んだ対岸にイランが位置する中東の小国です。
石油や天然ガスが豊富で日本にも輸出しており、砂漠だけでなく緑豊かな風景も広がる観光地としても知られています。
都市計画で住宅の色が白かアースカラーに統一されているという独特の景観も魅力です。
オマーンが国際的に注目される最大の理由はその外交姿勢です。
対立するすべての国と友好関係を保つ「全方位外交」を貫いており、「中東のスイス」とも呼ばれています。
その背景には宗教的な事情があります。
オマーンはイスラム教徒の国ですが、対立しあうスンニ派とシーア派のどちらでもない、他の宗派に寛容で穏健な「イバード派」が国内に多数を占めており、スンニ派が多いサウジアラビアとも、シーア派が主体のイランとも良好な関係を維持できているのです。
アメリカからも信頼できるパートナーとみなされており、米イラン核交渉の仲介役も担ってきました。
ホルムズ海峡をめぐる覚書が機能不全に
しかしそのオマーンが今、イランとアメリカの板挟みという難しい状況に置かれています。
6月にトランプ大統領がイランとの戦闘終結に向けた覚書にサインし、ホルムズ海峡の通航を元通りにする方向で合意が結ばれました。
ところがイラン側がホルムズ海峡北側のイランに近い航路の使用を各国の船に要求したことで問題が生じます。
その航路では安全な通航が困難だったため、オマーンは南側の自国に近い航路をイランの領海を外れた形で設定しました。
これにイランが反発し、攻撃の応酬が相次いだ結果、せっかく結んだ覚書は実質的に機能不全に陥ってしまいました。
トランプの爆撃警告、日本も動く
オマーンの日本大使館で専門調査員の経験を持つ中東戦略研究所代表の村上さんによると、オマーンは現在もイランに対して交渉を続けているということです。
しかし、イランが通航料の徴収に固執して譲らないため、交渉は難航しています。
そんな中でトランプ大統領がオマーンに対して「邪魔をすれば徹底的に爆撃する」という強烈な警告を発しました。
村上さんはその背景についてこう分析します。
オマーンがイランの意見も取り入れながら収束を図ろうとすることで、アメリカに不利な形でイランに譲歩してしまうのではないかという危機感がトランプ大統領を動かしたのではないかということです。
日本もオマーンを訪問する際、アメリカ側の立場からオマーンがイランに過度に譲歩しないよう働きかける狙いがあるとみられています。
中東の安定化を願い続けてきた「中東のスイス」が今、かつてない試練にさらされています。
NEWS解説
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