韓国統一部は27日、脱北者649人の証言を基に北朝鮮の人権状況をまとめた報告書を発表した。報告書では、金正恩政権がK-POPを聴く住民を公開処刑したり、携帯電話で韓国人が使う表現を禁止したりするなど、韓国文化の流入に対する警戒を強めていることが明らかにされた。
北朝鮮は韓国文化の流入を防ぐため、2020年に「反動思想・文化追放法」を導入した。韓国統一部によると、韓国の音楽やドラマなど「反動思想・文化」を流布した場合の最高刑は死刑だ。この報告書には、この法律の下で実際に死刑が執行されたと主張する脱北者の証言が初めて盛り込まれている。
報告書によると、北朝鮮南西部黄海南道の鉱山で2010年、農場労働者(22)が韓国の音楽を聞いたり映画を見たりしたという理由で公開処刑された。処刑前に判事とみられる人物が「(韓国の)歌70曲と映画3本を見た後に逮捕された」と指摘したという。報告書は、最近まで韓国ドラマなどを視聴した子どもが公開処刑される事例があったとも指摘した。
報告書は脱北者の証言を基に、公開処刑の手法についても詳しく述べている。市場や空港などに処刑場が設けられ、処刑される人物は柱に縛られ、頭や胸を銃で撃たれる。処刑を見物するために子供たちが動員されることもある。
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