女子大生への性的暴行の罪に問われた滋賀医科大の男子学生2人に対し、大阪高裁は12月18日、一審の実刑判決を破棄し、無罪判決を言い渡した。この判決は大きな物議を醸し、被害者の供述内容や裁判所の判断基準をめぐる議論が巻き起こった。
裁判の経緯と大阪高等裁判所の判決
一審は被害者の女子大生が「嫌だ」「やめてください」「痛い」などの言葉を繰り返していたことを証拠として認定し、有罪判決を受けた。しかし、二審の大阪高裁は、事件当日に撮影されたビデオなどから女子生徒の行為は「性的行為に応じたものであった可能性がある」と判断した。さらに、暴行や脅迫はなかったことから、男子生徒2人が同意していた疑いも払拭できなかった。
高等法院は最終的に、被害者の抵抗は「迎合行為」とみなされる可能性があると指摘し、有罪判決を取り消した。
被害者の供述が物議を醸す
岡野武弁護士が公表した裁判記録によると、事件当日、被害者は「やめてください」「苦しい」と訴え続け、被告の生徒らは「男のほうが興奮する」などと話していた。気に入らないと言われたら」と話していたと言われている。こうしたやり取りが録音されていたにもかかわらず、同意の可能性があったと判断されたことについて、SNS上では疑問の声が殺到している。
ネットの反応
この判決にはネット上で強い批判と混乱が起きている。
「被害者が『嫌だ』と言い続けるのに、これが同意とみなされるというのが信じられない」と怒りの声が多く上がっています。
「裁判所が被害者の訴えを軽視していると思われても仕方ない」と懸念する声もあった。このような判決が前例となれば、被害者はさらに声を上げにくくなるだろう」
一方で、判決を支持する声も少なく、「映像があれば証拠に基づいて判断するしかない」との声もある。感情ではなく法に基づいた冷静な議論が必要だ」
今回の判決は、被害者の供述と裁判所の判決との大きな乖離により、司法への信頼を揺るがすものとなった。 「迎合行為」の評価が被害者の抵抗をどのように反映したのか、明確な説明が求められる。
また、今回の事件は、性犯罪の司法認定基準をめぐる社会的議論が再燃する契機となる可能性もある。被害者が声を上げても、この状況が放置され続ければ、被害者保護の観点からは大きな後退となる。
性犯罪被害者が適切に保護される社会の実現には、裁判所や司法制度のみならず、社会全体の理解と議論が不可欠です。
(文=シェアニュースジャパン編集部)
インターネット上のコメント
・激しくされるのが気持ちいいと思っている男性や、嫌がっても大丈夫だと思っている男性はAVを見るのをやめたほうがいいでしょう。
・痛い、嫌、やめて、痛い、でもそれが拒絶にならないなら、何を言えば拒絶になるのでしょうか?
・映像も見ていない外野手がこの判決に文句を言うのは無理だが、バカには分からないだろう。
・裁判記録を読めとは言いませんが、少なくとも引用した記事の内容は読んでください。一審判決を破棄した最大の理由は「自分にとって不利益な事実を隠蔽した」との供述であり、当然、供述内容自体が疑問視される。一方、被告は自身に不利な要素を含む映像を証拠として提出した。
・たとえ裁判長の親族が同じ目に遭ったとしても、おそらく無罪だろう。
・被害者が最高裁まで上告した場合、高裁の判決が覆れば無罪とならない可能性があるので、最後まで法廷で戦ってほしいと思います。
・「これを言ったら本気でやめてほしい」という全国共通の安全ワードのようなものを作ってほしい。